台風が去った。
朝からすごく晴れていて風はまだ少し強くて、
日差しは早くも日の入りを予感させる色をしている。
洗濯物が揺れている。猫はねている。彼は駅前へ出かけた。ぼくは眠い。
あの日はとても疲労困憊していた。
ものすごい圧を勝手に感じながら毎日仕事を朝からやっていた。
そういう時のお昼ごはん。
ずっとパンをだいたい2枚食べるのが二人のランチだったけれど、
小麦を控えたら食後の眠気がなくなった、と知人に聞き、
眠気を恐れていた先週のぼくは、しばらくお昼を米にしたいって言った。
以後、毎日おにぎり。
勝手にミッチーはそういうの好きなはずと思い、
「おにぎり作るの楽しくなってきた?」と尋ねているがいつも「いや、特に」という感じ。
それでも彼はいろんなものを握っている。
きのうはコーンおにぎり。
ミッチーって「楽しい」のハードルが高いんじゃないかしら。
この頃、自分が思ってきた自分と
端から見える自分の違いについてショックを受けることが多い。
あ、ぼくってこういう姿なんだ。
よしみさんの写真にそう感じることもよくある。
最初はショックなんだけど、
だって、自分ってもっとスマートかと思ったらなんというかヌボっとしているみたいだし、
ちゃんと喋れていると疑わなかったのにどうやらものすごく話し下手。
そしてそのことにずっと気がつかないで生きてきた自分にも驚くのである。
けど、もしそれで生きてきたんだったら、それでいいってことだ。
こんなにスローリーな思考とお喋りに、
みんな、うん、うん。と付き合ってくれていたのか。
それをよしとして遊んでくれてたのね。
ほんとにありがとう。
そういう気持ち。
見た目などもそう。
べつに不自由していないのだから気にしなくていいのかもね。
世界ってふたつあるのかもしれない。
ぼくの見ている世界とぼくを見ている世界。
どっちも100%だけど、どちらも50%。
ぼくはぼくの目を毎日みがき、透き通らせていけばいいのでしょう。
なにもかもがその日その時その場所にしかない煌めき、
星のようなものなのだということをその瞬間に気がついている。
宝石箱をひっくり返したような世界よ、ありがとう、と思っている。
しばし時を経て届いたよしみさんの写真をみて、ようやくそう思えている今日の私。
うつくしい日常よ、ありがとう。
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